暑いからかき氷食べませんか。
「かき氷」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか。
かき氷。
うだるような暑さ、汗で前髪がおでこに貼り付く中、子どもたちの山車はのっそりと進む。
途中、住宅街の細い道の端っこに山車を停めて一休み、配られたチューペットの安っぽい美味しさ。
8月の太陽はじりじりと高く、アスファルトからむんむんとした熱気。
なんとか祭り会場の小学校に到着すると、いつもの校庭はすっかり祭りの顔に変わっている。
一旦家に帰ってシャワーを浴びて、お昼ご飯の冷やし中華。
日が暮れて、お囃子の音が聴こえ始める。
紺地に朝顔の浴衣。赤い帯にはさりげなく兎の柄が入っている。
母に着付けてもらって外へ出ると、少し心地良い温度の風が肌を撫でる。
校庭の朝礼台には既に子どもたちが集まっている。
待ち合わせていた友達と合流して、まずは一周、色とりどりの屋台を冷やかしながら歩く。
手に提げた小さい巾着の中の、キャラクターの描かれた小さな小銭入れの中の、大事な100円玉。
最初は何にする?
ヨーヨー釣りしたいけど、喉が乾いたねえ。
じゃあ、かき氷食べる?
いいね!私、ブルーハワイ。
じゃあ私は、イチゴ。
真っ白く削られた氷の上に、水色や赤や緑や、鮮やかなシロップが掛けられる。
掛かったところからしっとりと溶けていく氷。
ストローを開いたスプーンをしょり、と差して。
一口食べると、頭がキーンとして、それから段々と甘くて。
最後が氷だけにならないように、たまに下からすくって口に運ぶ。
空が紫色に染まった。
ソース焼きそばの匂い。
夏祭りの夜は更けていく…。
この記憶が実際のものなのか、それともいつのまにか刷り込まれたノスタルジックな夏祭りのイメージなのか、もはや定かではないのだけれど。
かき氷と聞いて思い浮かぶのは、こんな光景です。
前置きが長くなりましたが、さて、巷ではお洒落なかき氷屋が流行っているようで。
もういい大人なので、地元の夏祭りには行かないけれど、暑いし、お洒落でもなんでも、かき氷を食べたいと思って、ちょっと足を伸ばしたら、
予期せずノスタルジーに出会ってしまいました。
こちらとしては食べログで検索し、カフェをイメージして来ていたので、
え、外なの!?めっちゃ暑いじゃん!(笑)
って思いました。正直。まあ食べるけどさ。
路地裏にひっそりと停まる車の中で、粋なお兄さんがかき氷を作っていました。
手書きのメニューが並び、足元にもチョークでメニューや、ケンケンパの丸が書かれています。
完全にノスタルジーの波に飲み込まれ、ここはイチゴとか頼むべきなのでは…とちょっと思いましたが、せっかくなので面白そうなメニューを、ということで、私はティラミスを、友達は梅干しを頼みました。
なんかもう、めっちゃくちゃ美味しかったです。
コーヒーソース、マスカルポーネのクリーム、さらにキャラメルソースがたっぷり掛かっていて、最後まで味が染み込んでいました。
氷だけの部分がないなんて!贅沢。
屋外なのに、食べていたら段々涼しくなってきたのが非常によかったです。
帰り道に急に夕立が降り出したのもよかったです。うん、エモかった。
最高のかき氷体験でした。
リンク貼っておきます。
夏はまだこれからです。是非。
☆涼み屋さん