西荻窪の古本屋に行ってみたら天国だった。その③
西荻窪に足を踏み入れようとしている全ての初心者の方に、
一回しか行ったことのない初心者が贈る、
西荻窪古本屋レビュー Part.3
最終回は、北口のお店を紹介します!
前回までの記事はこちら
onceinabluemoonx.hatenablog.com
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1. 古書音羽館
北口を出ると駅前に賑やかな道があるのですが、その道を途中で左に曲がります。
すると右側にカーブしていくので、道なりに進みます。
マンションの中にポツポツとレストランが並ぶ細い道です。
「キッチンキャロット」というお店のある角を右に曲がると「古書音羽館」です。
普通のマンションの一階部分に入っているのでわかりにくいかもしれません。
私はなかなか見つけられず迷子になりました。
音羽館さんはとにかく品揃えがよかったです。
Googleマップの口コミを見ても評判が良いようで、界隈では有名なのでしょうか。
今までの記事で紹介したような古本屋さんは、どちらかというと個性的で、得意な分野がはっきりしているお店でした。
こちらでは文学・芸術系を中心に、比較的バランスよく本が並んでいたので、古本屋巡り初心者でもとっつきやすいかと思います。
入り口が二つありますが、店内で繋がっています。
たしか向かって左側のエリアが文学系、右側のエリアが芸術系でした。
店頭では100円〜文庫、新書、雑誌などが陳列されているので、まずはこちらから物色してみるのがおすすめです。
【私が買った本】
エドガー・アラン・ポー著・巽孝之訳『モルグ街の殺人・黄金虫ーポー短編集Ⅱ ミステリ編ー』(新潮文庫、2009.5)
【夜ご飯の後にうろうろしたい度】
☆☆☆☆☆
2. 花鳥風月
こちらのお店も、ジャンルを絞らず本を揃えている印象でした。
北口駅前の賑やかな道を西に進みます。
ずっと歩いていると右手に西荻窪北中央公園があります。
しばらく行くと右手にあるのが花鳥風月さんです。
お店は広いですが、古書音羽館さんよりは玄人向けっぽい品揃えでした。
思わぬ掘り出し物があるかもしれません。
【私が買った本】
この世界は終わらないし、世界の“外部”も存在しない。しかし、それは想像力が働く余地が世界から消えたことを意味しない。私たちは“いま、ここ”に留まったまま、世界を掘り下げ、どこまでも潜り、そして多重化し、拡大することができる。そうすることで、世界を変えていくことができる。リトル・ピープルの時代―それは、革命ではなくハッキングすることで世界を変化させていく“拡張現実の時代”である。“虚構の時代”から“拡張現実の時代”へ。震災後の想像力はこの本からはじまる。*1
私にとっての思わぬ掘り出し物はこの本でした。
村上春樹『1Q84』におけるリトル・ピープルを切り口に、戦後ヒーローのあり方と絡めながら現代社会を論じているそうです。
なぜ不確かな書き方なのかというと、買ってすぐに彼氏に貸したら面白すぎるとのことで返してくれないからです。私も読みたいぞ。
【コアな本が眠っていそう度】
☆☆☆☆☆
3. 旅の本屋 のまど
先ほどの西荻窪北中央公園の向かいにあるのが「旅の本屋 のまど」さんです。
店名の通り「旅」をテーマにした本屋さんで、ガイドブックはもちろんのこと、「旅行書」に限らず、諸外国の文化に触れることのできる本が揃っていました。
さて、旅の本屋といえば、映画「ノッティングヒルの恋人」ですよね。
ヒュー・グラント演じる主人公が営む青いドアの旅行書専門店に、ジュリア・ロバーツ演じるスター女優がお忍びで訪れたことをきっかけに、身分違いの恋物語が始まります。
この本屋が、格好つけていないのにお洒落で、居心地が良さそうで、憧れでした。
「旅の本屋」と聞いてわくわくするのは、映画のおかげでもあるかもしれません。
ロンドンに旅の本を専門に扱った書店がどれくらいあるのかわかりませんが、少なくとも日本ではまだあまり一般的ではない気がします。
とりあえず、「ノッティングヒルの恋人」を観た人はぜひ行ってみてください。
【私が買った本】
買っていないのでまた行きたいです。
【旅に出たくなる度】
☆☆☆☆☆
4. 終わりに
ブログで紹介させていただいたお店の多くが、現在休業しているようです。
偉そうなことを言う立場ではありませんが、町の本屋さんを守ることは文化を守ることだと思っています。
どうか、無事でありますように。
世界が元気になったらまた、本を探しに行きます。